ナルニアとイースター

2005年のイースター（受難週）と、ナルニア第一巻「ライオンと魔女」と対比して、
イースターとはなんぞやというのを、
一週間にかけてバイブル的に説明た時の文をまとめました。

「聖書」「キリスト」「ペテロ」などという表記ではなく、
分りやすさとナルニアとの対比の便宜上、
英語訳表記「バイブル」「ジーザス」「ピーター」にしました。

なお、「ライオンと魔女」を主に、重大なネタバレをしていますので、
原作未読のかたや、映画未視聴の方はご注意ください。　

ナルニア・イースターエッグを探せ！　4/7

来週4/9-16は、イースター・ウィーク（受難週）です。ネット界では、ＨＰ内に「イースターエッグ」を隠すことがはやってるとか・・。そこで、このサイトも4/16（日）のイースター（復活祭）まで、イースターエッグを隠しました＾＾　そこから、シークレットページへいけるかも。

イースター・ウィークの一週間は、イースターの記事をかいていきます。そう御期待！

ナルニアと「Palm Sunday」！　4/9

受難週特集、一日目。イエス・キリストは、日曜日に首都エルサレムに入り、13日の金曜日に十字架に架けられました。この１週間のことを受難週と呼び、この１週間にイエスの身に起ったことを追憶します。

そこでこのＨＰでも、ナルニアとのふかーい関連があるので、受難週特集をします！（わかりやすさのため、登場人物名を英訳記述にして解説します。余計わかりにくいか・・）

北方神話の春の女神「Eostre」といのが「イースター」の由来のひとつだそうです。寒さ厳しい暗い冬から、草木が芽吹き動物たちが繁殖する春へと移り変わる様が、十字架で処刑された後に復活したとされるジーザス（イエス）のイメージと重なり、統合されていったと見られています。

と、「ナルニア国物語/ライオンと魔女」の、魔女の100年の冬から、アスランによって春が訪れる様とそっくり！また、作者Ｃ．Ｓ．ルイスは「北方神話」に若いころはまっていたことは有名で、「ナルニア国物語」でも、北方神話のキャラがたくさん登場します。なんで、けっこう（ライラ作者の）プルマンなどから、「異教的だ」と指摘をくらうんですね。しかし、しってのごとく、「ナルニア国物語」の根本は、明らかにバイブルです。ま、その点はいまんとこ、パスします。

今日4/9は、受難週一日目で「パルム・サンディ」といわれてます。ジーザスは弟子の二人にロバをとってきてもらい、それに乗ってイスラエルへむかいました。進んでいくとちゅう、多くの人々が上着や、パルムという草などをを地面にしき彼らを歓迎したから、その日を「パルム草の日曜日」と呼ぶのです。彼を慕う人々は喜び歌いますが、ジーザスはきたるべき運命を思わせることを口にします。

ナルニアでは、ペベンシー兄弟とビーバー夫妻が逆に、アスランらのキャンプ場へいきます。そのキャンプ場は、石舞台です。のちの処刑場となるところです。子どもたちはアスランと共にいるナルニア人に、暖かく迎えられますが、アスランはのちにそこで、魔女と共にいる化け物たちに蔑まれるんですね・・・。

ナルニアじゃあ、いい人たち（アスラン軍）と、悪い人たち（魔女軍）に分けられてんですが、バイブルでは、迎えたのも殺したのもおんなじ群集です。最初は歓迎したのに、処刑のころになると、彼を蔑みます。

イースター関連ページ＞＞イースターのすべて：英語タウン

ナルニアと「Monday of Holy Week」！　4/10

受難週特集、二日目です。二日目の今日は「宮きよめの日」ともいわれてます。
そんで今日の部分のバイブルの説明↓↓

彼らはやっとエルサレムに到着しましたが、神聖な宮の中で商売がされてて、強盗の巣となってたんで、ジーザスは、商売人の屋台の机ををひっくりかえし、そこから商売人たちを追いだしました。

ナルニアのアスランも、別の巻で金欲や声名に目がくらんだカスピアン、容貌や自分への評判が気になったルーシィ、また映画でも、弱い心から悪事をしようとするタムナスさんに、アスランは幻で怒ります。（それと、この売人たちを追い出した場面は違うかもしれませんが。）前にも書きましたが、ルイスはナルニアを聖書の寓話だとは考えていません。もしそうならば・・・

ナルニアは魔女ではなく、"カロールメン"という帝国に支配されてて、

そこにアスランとともに子どもたちがいっしょに旅をして、

まっすぐ信じることや愛することを、いろんな「おはなし」をして教え、わたり歩き、

いろんなナルニア人の病気や死の苦しみを助けてあげていくのですが、

「大帝」を表面的なだけで信じてる"偉いナルニア人"たちがアスランをきらいます。

また、アスランとともにいたエドマンドがアスランや兄弟を裏切ってにげて、

ナルニア人は、帝国から独立するための、革命家のトップとしてのアスランではないことにガッカリして、「アスランを殺せ」と興奮しさわぎだすのです。

エドマンドによる密告で、アスランが捕まったときに、ペペンシーたちは自分たちも一緒に捕まらないためにアスランを裏切って逃げ出します。ピーターは恐ろしくなって、ほかの人にアスランのことを聞かれても「知らない」と言ってしまいます。

アスランは凶器で何度も何度も鞭打たれたあと、

処刑所「石舞台」まで見世物としてたたされ、バカにされながら歩き、

石舞台に体を釘で打ち付けられ、苦しみながら死んでしまうのです。

三日後にルーシィとスーザンは、アスランの墓がすでに壊れてて、

そこに生き返ったアスランをみます。

その後みなの前でそのままアスランは"ライオン"の体ではなくなって、

その後彼を信じるひとりひとりにアスランが直接かたってくれるようになる。

・・・・てな話にすればよかったんです。作者ルイスは冒険物語に、「北方神話」などをまぜつつ、それで信仰を表現するような本にしあがったんじゃないでしょうか。

＜「ライオンと魔女（岩波書店）」より引用↓＞

アスランの声音は、ふかく、朗々としていて、みんなのそわつきをはらうはたらきがありました。一同は、よろこばしくなると同時に、すっかりおだやかになりました。アスランの前に立って、何もいわないでいても、落ちつかない感じはありませんでした。

「しかし、四人めの者は、どこに？」とアスランがたずねました。

「あの者は、みんなを裏切って、白い魔女の味方につきました、アスランよ」

とビーバーさんがいいました。その時、何かがピーターに、こういわせました。

「その原因の一部は、わたしのせいでした、アスランよ。わたしはあの弟をしかりとばしたのですが、そのためにまちがったほうにいかせたように思われます。」

（中略）

「あらゆることをしよう。だがそれは、思ったよりむずかしいことになりそうだ。」とアスラン。

それきりしばらくのあいだ、アスランは何もいいませんでした。その時まで、ルーシィは、アスランの顔がなんと、威風堂々としていて、力強く、しかもなごやかなのだろうと思っていましたが、いま、それとともに悲しいところがあるという思いが、むねをつきました。

ナルニアと「Tues&Wednesday of Holy Week」！　4/12

受難週特集、三、四日目。三日目は「論争の日」、四日目は「香油の日」ともいわれてます。
※昨日は諸事情により、更新できませんでした。本日二日分の特集です。

バイブルの説明↓↓

三日目、ジーザスのもとに、エルサレムのえらい聖職者たちがつめより、人気のある彼を殺すため、うまい口実をつくるため、いろいろ薄汚い質問をします。しかしジーザスは、たとえ話でその「答え」を答え、また彼らを戒めるのです。（その箇所は非常に長いです）たとえば・・・「カエサル（王）のもの（税金）はカエサルに、神のもの（愛）は神（愛）に」　などなど。そこで聖職者たちは集まり、彼を殺す相談をしましたが、（過越しの）祭りの間は、ジーザスを慕うエルサレムの多くの人が暴動が起こると考えます。

四日目、ハンセン病患者（ツァラアト）のシモンの家に滞在したとき、ある女性が、とても高い香油をジーザスにかけました。しかし、ジーザスの弟子たち、特にお金を管理しているのジューダス（ユダ）などは、「この香油を売れば、その金で貧しい人を助けられたのに」といいましたが、ジーザスは、「彼女はいつまでも私と一緒にいることはできないし、また彼女は私の埋葬の用意をした。このことは世界中に語られる（福音の）話で、この人の記念となる。」と言ったのです。・・・その後ジューダスはこっそり、殺しの相談をしていた聖職者たちのところへいき、彼らが恐れてる民衆のいないすきに、ジーザスを売り渡す約束をしました。

過越しの祭りとは・・昔イスラエル人たちがエジプトで奴隷になっていたとき、（神さまに命じられた）モーセが、彼らを助け出すリーダーとなって、エジプト王に奴隷解放を要求しますが、王は却下。そんな王に、彼はさまざまな（神による）奇跡をするのですが、王はそのことを信じられず、却下継続。そのため、「長男は全員死ぬ」という恐ろしい出来事がおき、王の息子も死に、国民の長男は全員死んでしまいました。しかし、神を信じる人々にはモーセを通じて、「健康無傷の長男の子羊を選び、しばらく家の中で可愛がったのち、その子羊を殺し、その血を玄関に塗れば、長男が死から助かる。」と伝えられたのです。その死から過ぎ越したことを祝うのが、過越しの祭りです。またこの無実な子羊が、ジーザスを示していると考えられてます。

さてさて、、、ナルニアでは、兄やほかのの兄弟に嫉妬したエドマンドが、魔女による「呪いのかかった菓子」と「権力」と「美貌と優しさ」の誘惑から、兄弟のことを魔女に伝え、兄弟を裏切ります。　ジュードは裏切るとき、彼に別の力（いわゆる悪魔）がはたらいたとあります。ま、そう解釈すると、魔女はわかりやすく悪魔を示し、ターキシュ・ディライトは「原罪」の実ではなく、いろんな罪への誘惑のひとつと考えられるでしょう。

ある解説本で、作者ルイスがいたオクスフォード大学でその時代、ターキシュ・ディライトに麻薬がかかってるのが流行っていたそうです。性欲や嘘、傲慢心などは、そんな麻薬のような誘惑からおこってしまうんです。

なんで、そんなんになっちゃうかというと、（最初の人間）アダムが悪魔とイブ（エバ）にだまされ、神のように賢くなれるという「知恵の実」を食べちゃった「原罪」があるからなんですね。だから、アダムとイブの子どもたちである、自分を含む、ありとあらゆる人間は全員、そんな弱い心を持つ「罪人」で、これからおこる「子羊の血」がなかったら、全員肉体が死んだのち、精神も死んでしまうことになってたんです（いわゆる地獄？）。

明日はいよいよ、最後の晩餐です・・・。

＜「ライオンと魔女（岩波書店）」より引用↓＞
「われらがそばに立っているこの石舞台の上に書かれていることをか？知らず山の火の石の上に、やりの穂ほどもふかく文字にして書きつけたことをか？海のかなたの国の大帝のもつ王笏の上にきざみつけたことをか？いや、すくなくとも、このナルニアがそもそもできる時にあたって、あの大帝がくだした魔法は、ごぞんじのはずじゃ。裏切り者はことごとく、おきてにしたがってわらわの当然のえじきとなり、裏切りがあるたびに、わらわが、それに死をあたえる権利のあることは、ごぞんじのはずじゃ」

ナルニアと「Maundy Thursday」！　4/13

受難週特集、五日目。五日目は「洗足の木曜日」　最後の晩餐・ゲッセマネの祈りをしました。ついに明日、あの鞭打ちと十字架の死がおきた受難日です・・・。

バイブルの説明↓↓
種なしパンの祝い（過越し祭）一日目の夕方、ジーザスと、12人の弟子たちは、種なしパンの、過越しの食事をとりました。それが最後の晩餐といわれるものです。夕食の席で、ジーザス自ら弟子たちの足を洗うという、本来低い身分の人がやることを弟子たちにしました。弟子のピーター（ペトロ）は、「わたしの足を洗ってくださるのですか。わたしの足など洗わないでください」と言うと、ジーザスは答えました。「わたしのしていることは、後でわかるようになる。もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる。」

そして、過ぎ越しの祝いの晩餐が始まると、「あなたがたのうちの一人が、わたしを裏切ろうとしている。」とジーザスが宣告し、弟子たちは互いに顔を見合わせました。「それは誰ですか」と弟子が訊ねると、「わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ。」そしてジーザスはパン切れを浸してジューダスに与え、「しようとしていることを今すぐ、しなさい。」と言い、ジューダスはパン切れを受け取ると、すぐに出ていってしまいました。

そのあとピーターは、「たとえ、一緒に死なねばならなくなっても、あなたを離れません」と言い、ほかの弟子たちも同じように言いました。食事が終わり、ジーザスらはゲッセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言い、ピーター、ジョン（ヨハネ）、ジェイコブ（ヤコブ）を連れたったその時、悲しみにもだえ始め、「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」

そして「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。そしてわたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」と、ジーザスはあまりにも大きい出来事の前に、苦しみの中一心に祈りました。しかしその間弟子たちは居眠りをしていたのです。その後ジーザスは三度目も同じ言葉で祈り、眠っている弟子たちのところに戻って来て言ったのです。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」

今日はちょっと長いですが、この後壮絶な残虐のシーンがあるのです。ナルニアのアスランも、女の子二人と連れたち、石舞台へと向かう途中言います。「悲しくてさびしいのだよ。（中略）あなたがたは、ここで立ちどまらなくてはいけない。」そしてアスランも、一人石舞台へと向かうのです。

今回はジーザスに従う、12弟子の説明をします。

・ピーター（ペテロ）：12使徒の最長老。クライストから岩を意味する今の名を授かり、
教会の基盤となる岩となることを期待され、カトリックの初代教皇に。
・アンドリュー（アンデレ）：ピーターの弟。初めは洗礼者ジョン（ヨハネ）の弟子。
・ジェームズ（ヤコブ）：ジョンの兄。ゲッセマネの祈りに同行。
・ジェームズ（ヤコブ）：↑のジェームズとは別人。
・ジョン（ヨハネ）：ガリラヤの漁師の子で、洗礼者ジョンとは別人。
・フィリップ（フィリポ）：ジーザスに「私についてきなさい」とはっきり命じられた最初の弟子。
・バート（バルトロマイ）：親友フィリップの薦めで、5番目の弟子に。
・トーマス（トマス）：ジーザス復活の姿を見なかった彼は、復活を信じず。
・マシュー（マタイ）：以前は、町の徴税人（帝国の税金取り立てをする請負人の手先）。
・サイモン（シモン）：かつて、（独立を企て武装蜂起も辞さない）熱心党に所属。
・ジュード（ユダ）：↓のイスカリオテのユダとは別人。
・ジューダス（ユダ）：イスカリオテのユダ。十二使徒の財務担当。ジーザスを裏切った。

ちなみに、映画ナルニア１の監督「アンドリュー・アダムソン」は、「アダムの息子のアンデレ」という意味＾＾　欧米ではバイブルにでてくる人物の名前がとても多いです。ちなみに・・・監督、出演者、製作者はほとんどクリスチャンではありません。

ナルニアと「Good Friday」　受難日①　4/14

受難週特集、六日目。六日目は「受難日」ですが、なぜ「グット・フライディ」なんでしょうか。ナルニアでは、アスランが石舞台で殺されたため、エドマンドの命がすくわれました。そしてバイブルでは現在をもつ、全ての人間の命が助かった、すくわれた、そのための「良い金曜」なんですが・・。まぁ、その壮絶なる受難の説明を、かんたん（にするつもりでしたが、長くなっちゃった）にまとめましたのでどうぞ。

バイブルの説明↓↓
ジューダスが兵士などの人びとをつれて、ゲッセマネの園にあらわれ、ジーザスに近づき捕まえる合図のキスをジーザスにしました。ジーザスは彼に言いました。「ジュード、キスで裏切ろうというのか。」

兵士たちを前に、弟子たちはジーザスを守るために勇んで一人の敵の耳を切り落としますが、ジーザスは弟子に攻撃をやめさせ、敵の耳をいやして「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」といいます。

本当にジーザスが捕まるときになって、パニックになった弟子たちはジーザスを残して散り散りに逃げさってしいきました。こうしてジーザスは、つい先日の日曜には歓迎したはずの群集によって、捕らえられ、一番偉い大祭司カイアファのところへ連行されたのです。そしてその大司祭による裁判が始まり、偉い宗教家たちがが集まってきました。

それを、ジーザスのもとから逃げ出したあのピーターが、ジーザスの様子を様子をこっそり中庭から見ていましたら、彼に向かって民衆の一人が「あんたは彼の弟子じゃなかった？」「お前はあの連中の仲間だ！」などといわれ、ジーザスの仲間だと思われたら自分も裁かれる・・・ばれたらヤバいぞと、疑われるたびに、弟子だということをを必死に否定します。次第に追い詰められてていってしまい、ついには「あなたがたの言っているジーザスなんて人は知らない。本当だ。嘘だというなら死んだっていい。」と誓い始めてしまったのです。

そうしたら鶏が鳴きました。昨日ピーターはジーザスに「鶏が二度鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたのを思い出し、（あんなに尽くすつもりだった彼を裏切ってしまったと絶望し）・・・彼は泣いたのでした。

そのころ、ジーザスは裁判の被告席に立たされていました。祭司らはジーザスを殺したいのですが、偽証人は何人も現れたものの、証言が食い違ったため証拠として採用されません。ついにはカイアファ大祭司が「お前はメサイア（キリスト・救世主）なのか。」といい、ジーザスはそれを認めました。イエスの証言を聞いた次の瞬間、カイアファは、怒って自分の衣を引き裂き、最高法院の面々に言いました。「これでもまだ証人が必要か。諸君は偉大な救世主を自称した冒涜の言葉を聞いたんだぞ。」と。そうして最高法院は、法的な犯罪に対して事実無根、さらに宗教的にも本当のメサイアである彼に、死刑の判決を出したのです。

そうして夜が明け、ジーザスは総督ピラトのところへ連れていかれました。ジーザスを裏切ったジューダスは、有罪の判決が下ったのを知って後悔し、「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯してしまった。」といい、売り渡したことを悔いてその後を生きるのではなく、ジーザスを売った銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって自殺したのでした。

夜が明け、ピラト総督による裁判が始まりますが、ピラトはどうせ祭司長たちが、ねたみで訴えただけのことだ、宗教上のどうかなどはどうでもいいと思ってました。そこで、メサイアと名乗るジーザスが"ユダヤ人の政治的な王"かどうか？　を問いました。もしジーザスがユダヤ人の王なら、彼は帝国の敵となりますが、ただ自称しているだけならなんの問題もなく、ついにピラトは有罪にできるようなことがらを、何も見つけることができません。そこでピラトは過越し祭の行事の慣習を思い出し、"民衆の歓心を買うための、囚人一人を釈放する"という行事を提案します。しかし民衆は熱狂的に、ジーザスではなく「殺人者のバラバ」を釈放するようさけび、さらには「ジーザスを十字架につけろ」と連呼。彼は権限を放棄し、しかたなく妥協案として、鞭打刑ですまそうとして、ジーザスを裸にし、凶器のついた鞭で何度も彼を打つことに。

体の肉は裂け、血は噴き出します――そして何度も鞭打たれたジーザスに、ローマの兵士はふざけて、茨の冠を頭にくいこませ、マントを着せ、「ユダヤ人の王さま、万歳！」と嘲笑。そして、棒で頭を殴り、唾を吐きかけます。そうしてジーザスは民衆の決定により、重たい十字架を背負って、裸のまま、嘲られ罵られ、蹴飛ばされ唾吐かれながら、その血だらけのとても衰退した肉体で、「ゴルゴタ（どくろ）の丘」を上っていくのでした。

あんなに強い意志をもっていた弟子たちはジーザスを見捨てて逃げ、あんなに歓迎し尊敬していた民衆は、とたんに彼を罵るのです。

彼らにはモーセの時代に、「十戒」というきまりをもらい、またその後もそのような「きまり」を、自分たちできめて、神さまそのものではなく、「きまり」に従っていけば、自分たちは助かる、救われると考えていたのです。日本人の私たちからすると、何から助かるのかサッパリわかりません＾＾；

それは、（前に書いた）「原罪」により、神さまから楽園から追放され、そのため、どうしようもない弱い心をもってしまって、気づかないところで、知らず知らずのうちに、人を傷つけてしまうのです。神さまが創った、100%完璧だった世界が、この「原罪」によりだめになり、追放されたアダムとイブの降り立った「地」は、もはや失敗作になってしまったのです。しかしそこから人類の歴史が始まるとバイブルでは考えられていて、そのため神さまは、その地で生き物を養い人を住ませ、「生活」を与えてるのです。しかし生きている人間は、やはり自分本位を始終（無意識に）考えてしまいます。そんな人間が死んだあとは、肉体と一緒に自分の精神も死ぬ運命でした。

が、モーセを通じて十戒というルールが授けられ、そのルールによって、神さまはなにを僕たちに望んでいるのかと、内面的に生活を改めることができるはず・・・でしたが、こんどはその「きまり」しかみることができなくなって、（内面を見る神様じゃなくて、外面しか見られない周りの人たち目）ばかりを気にしだしたのですね・・・。（間違いでしたら掲示板なので教えてください。そんなだったよーな・・）

そこに昔から伝えられていた、神さまと人間の仲介役である、神さまの子で、かつ人間として、ジーザスという赤ちゃんが、xxxせずに妊娠したマリアのお腹から（旅の途中にの、汚い馬小屋で）産まれた日、それがクリスマスというやつなんです。（恋人同士がいちゃいちゃxxxする日ではありません＾＾；

その（精神の死からの）救い主であなるジーザス（イエス）は、神の子といわれますが、そこはバイブル読まないとイマイチよくわかりません。その話は次回にまわします。

ナルニアと「Saturday of Holy Week」　受難日②　4/15

受難週特集、七日目。昨日のつづきの前に「ライオンと魔女」の、処刑シーンからどうぞ・・・

「さて、勝ったのは、だれじゃ？おろか者め、こんなことで、裏切り者の人間がすくえると思ったのか？では約束どおり、あの子のかわりに、きさまを殺してやろう。それでこそ、むかしからの魔法がかなうというものよ。だがきさまが死んでしまえば、わらわがあの子を殺すじゃまのできる者があろうか？わらわの手から、助けだせる者があろうか？きさまはいのちをうしない、あの者を助けることもできずに、このナルニアを常永久（とことわ）に、わらわにゆだねたことが、わかったか？かくこころえた上で、あきらめて、死ね」　
（「ライオンと魔女（岩波書店）」より引用）

という魔女の宣言で、アスランがナイフで刺され、アスランは死んでしまいます。殺された様子をそばで見ていたルーシィとスーザンは、魔女軍が去ったのち、アスランに駆け寄り、彼女たちは泣きに泣き、口輪をはずし、縄もほどこうとしたけれども、無理でした。

その間、彼女たちは涙をとめどなく流していましたが、涙がおさまると、澄んだおちつきがうまれ、そのあと何時間もそこで寒い夜をすごしました。その後いつの間にかねずみたちが現れ、縛っているアスランの縄を噛み切り始め、縄目がほどけたのでした。

そして時間がすぎ、だんだんと明るくなっていき、一つ星が輝き、鳥たちが鳴き始めます。そうして夜が明けはじめます。女の子たちは山の東側の端から景色を見渡し、アスランと東側の崖の間をえんえんと歩きつづけることで暖まろうとしましたが、疲れてしまいました。そうしているうちに、太陽がゆっくりと顔をだした、その瞬間、アスラン亡き石舞台から、ものすごい音が聞こえ、駆け寄ると石舞台の石板が真っ二つに割れ、アスランの亡き骸がなくなっていたのでした。

十字架を背負ったジーザスのその続き↓↓

ジーザスを嘲り唾を吐きかける群集のなか、彼は傷だらけの体で重い十字架を背負い、坂を登っていきますが、途中まできていよいよ、十字架を担いで歩くことができずに力尽きてしまったのです。ローマ兵は、たまたま通りかかった通行人の一人に、十字架をかわりに担ぎ運ばせ、ようやく彼らはゴルゴダの丘までたどりつきます。

ジーザスの両手両足に釘を十字架に貫通させ、中央にジーザス、そして両端にも犯罪者が磔になりました。その一人が「あんたが救い主なんなら、俺たちと自分を助けてみろ」と言います。そしたら反対側の犯罪者が、「俺たちは自分のした犯罪の報いをうけてるが、この方は悪いことはなにもしなかった。」といい、ジーザスに向かい「天に昇られたら私を思い出してください」といったのです。そのときにジーザスは「あなたは今日（いま、）私と共にパラダイスにいる」と、この磔でさらし者になっている状況下で答えたのでした。ジーザスの十字架の上には、「ユダヤ人の王」という罪名が三国語で書かれていました。兵士はジーザスの着物を獲るためくじをし、聖職者たちもジーザスに「他人を救えたんなら、いま自分自身を救ってみろ」と嘲ます。

ジーザスはこれまで蔑まれ傷つけられたのに、「彼らをお許しください。彼らは何をしているのか分らないのです」と祈ります。そして昼12時になり、あたりが暗くなり、3時まで続きました。死の直前、ついに「なぜ私を見捨てたのですか」と叫び、また「あなた（お父さん）の御手に委ね」、そして「完了した」と叫び、彼は息絶えたのです。その瞬間、エルサレムの神殿の祭殿の、神さまと人を隔ていた幕がが真っ二つに裂け、大地震がおき、岩が割れました。

その後、罪人を十字架に残さないよう、足のすねを折て早く拷問から死なせるための作業をしましたが、ジーザスはすでに死んでいたので、死亡確認のため兵士は槍で腹を突き刺しました。そこから水と血が噴出します。すべてをみていた兵士の隊長は「本当にこの人は正しい人だった」と言いました。

今日（土曜）の部分は、ジーザスの遺体は十字架から下ろされ、墓におさめられます。

ナルニアの説明は少し先のところまでいっちゃいましたが・・・・「石舞台」は、モーセの「十戒」を意味してると、作者ルイスは答えました。繰り返しになりますが、その「十戒」とは「きまり」で、きまりを守れば、そもそも大事な「愛」を人々は思い出すだろうと、十戒をモーセに与えた神さまは思ったのですが、人々はきまりに固着し愛を忘れます。そのきまりで助かるという約束、それがあの祭殿の幕であり、石舞台なのです。

・・・その後の「新たな約束」のことは、明日「イースター」で、詳しくやろうかな。

ナルニアと　「Easter」　！　4/16

受難週特集八日目の最終回。受難週が終わり、今日はハッピー・イースター、復活祭です！卵隠しのイベントではなく、ジーザスが生き返ったことを祝う日なんですな。

まずは昨日の「ライオンと魔女」のつづき・・・

「ああ、ひどすぎる。どういうこと？（エドマンドの裏切りに対する）もとの魔法が続いてるの？」という彼女たちの嘆きに、うしろからおおきな声がひびきました。「――もとの魔法のつづきだよ」と。朝日に輝き、今までよりはるかに大きく、たてがみをゆらす、アスランその人が立っていました。ルーシーとスーザンは、「おお、アスラン！」と声をあげ、恐れと驚きにうたれ、アスランを見上げ、そしてアスランに、「死んだのではなかったのですか」と言うと、今は死んでないと答えます。そしてそのアスランをおばけだと思ってこわがったら、アスランからの暖かさと深い香りで、「あなたは生きてる！」とわかって、感極まり、アスランに飛びつきキスを浴びせました。

おちついてきて、これはどういうことなんですかと、アスランに質問したら、彼は答えます。

「それは、こうだ。魔女はたしかに、古いもとの魔法（裏切りという罪に対して処刑するという法律）を知ってはいたが、あれの知らない、もう一つもとの、もっと古い魔法のおきてがあったのだ。魔女の知るのは、ただこの世のはじまりどまりだった。だが、もう少しさきを見通して、この世がはじまる前の、静けさとやみをつぶさにのぞんでおったなら、さらにちがったまじないが読みとれたはずだ。あの女は、なんの裏切りもおかさない者が進んでいけにえとなって、裏切り者のかわりに殺された時、おきての石板はくだけ、死はふりだしにもどってしまうという、古いさだめを知らなかった。では、これから――」
　（「ライオンと魔女（岩波書店）」より引用）

この続きは、原作か映画でお楽しみください＾＾

つづいてバイブルの説明↓↓

ジーザスの墓は厳重に兵隊で（弟子から遺体を盗ませないため）、警備されてました。週初めの日（日曜）に、母メリー（マリア）・アンナ（ジョアンナ）・マグダラのメリーは、ジーザスの遺体に風習で香油を塗るため、墓へ行きました・・・ら、大きな地震がおき、墓塚の石戸はころがされ、入るとなんと、ジーザスの遺体が消えていました。

彼女たちが途方にくれると、まばゆい白い服を着た二人の青年が、石戸にいたのに気づき、兵士は恐ろしさのあまり固まってしまい彼女たちも恐ろしくなり、地面に伏せると、二人のひとは、「ここにはいません。よみがえられたのです！」と言いました。過去になんどもジーザスは、殺され、三日後に生き返ることを前もって言っていたのを、彼女たちは思い出し、すぐに弟子たちと他の人みんなに、このことを全部話そうと走ったら、とちゅう、血だらけでも死体でもない、生き返ったジーザスに出会ったのです！

兵士たちも祭司長たちにこのことを報告したら、金を渡されジーザスが生き返ったと思われかねない出来事を隠蔽するよう言われました。さて、彼女たちの話を弟子たちは、ウソだと思って彼女たちを信用しませんでした。

その日、ジーザスを慕っていた二人の人が、十字架とメリーらの話について話しながら町に向かってましたら、男が途中から近づき、何のことを話しているかと訊ねました。二人は暗い顔で立ちとまり、一部始終をはなしました。すると男は、過去の歴史で、モーセからいろんな預言者がバイブル全体で、このことがみんなちゃんと書かれてることを、二人に話ました。二人は男を宿に誘いました。食事のとき、男がパンを祝福し、裂いて二人に渡したとき、二人は男が生き返ったジーザスだと気づきましたが、その時ジーザスは消えて見えなくなりました。そしてその二人も、すぐ席を立ち、エルサレムの弟子たちのもとへ戻りました。

弟子たちはユダヤ人らから隠れる建物にいて、このことについて話していたら、なんとジーザスが彼らの真ん中に立っていました。彼らはジーザスを幽霊だと恐れましたが、ジーザスは霊ならこんな体や骨はもっていないと答えました。彼らはうれしさのあまりまだ信じられず、不思議がっていました。ジーザスはそのあとも何度か人々の前に現れました。そして、その後弟子たちに、「あなたたちは、このことの証人なのだから、このことを世界中に伝えなさい、教えなさい」と言われました。そうして人々の前で、ジーザスは生きて天に昇ったのです。

昨日の続きですが・・とにかくアスラン・ジーザスは、全くの無抵抗で、最悪の殺され方で、さらに全く無実だったのを、まず確認したいです。たまーに2ch掲示板をみるのですが、「アスランはあらかじめ生き返るのを知ってたから、魔女をだました」「魔女軍がやられるなか、結局アスラン軍は全員助かるなんで、単純なご都合主義だ」などとという意見がありました。たしかに、この2000年前の歴史を知らなければ、ナルニアでの、ナルニア人の勝利があまりにも単純でお粗末だと思っちゃいます。しかし、武力でナルニア人は勝ったのではなく、その前のアスランの、受難の（犠牲になるのを真っ当した）戦いの勝利があったからこそ、魔女によって命を奪われた石像は生き返り、誰も倒せなかった魔女をアスランだけが倒すことができたのです。っと、その深い問題があったからこそなんですね・・・。

ちなみに、、、『キリスト教の精髄』という、ナルニアの作家C.S.ルイスの有名な本の中では、
「単なる人間でありながら、イエスが語ったようなことを語った人物がいたとするなら、そのような人は偉大な道徳的教師ではないだろう。そのような人は精神病者――自分が半熟卵であると言う程度の――であるか、地獄の悪魔かのどちらかであろう。あなたは自分の選択をしなければならない。この人が過去において神の子であり、また現在でも神の子である方か、それとも狂人か、あるいはそれよりも悪い者であるかのどちらかである。しかし、彼を偉大な人間的教師であるとして、彼を後援するというようなことを、われわれはしてはならない。彼はこの点において、われわれに疑問の余地を残しておくようなことはされなかった。」
っと、あります。

ジーザスのことで、それまでの奇跡的行為のなかで、一番「うさんくさい」と思われてしまうのは、この「生き返り」のシーンです。ルーシィたちも、メリーたちも恐れながらも、とっても喜びに満ちました。もし「復活」がウソッパチならば・・・その後12弟子のピーターなどは、命がけでこのことを世界中に伝えたりしないでしょう。彼らは、ジーザスの裁判中、自分らが助かるため嘘をついて、処刑後は隠れ住んでいたのに。何の得もないのに。。そして彼らは投獄され、またピーターなどは逆さまに十字架に磔になって死にました。

最後になりましたが、この長いながい「イースター特集」を読んでくださって、本当にありがとうございます。あの「ナルニア国物語/ライオンと魔女」をさらに深く、また「イースター」とはなにか、キリスト教ってなんなのか、ちょっとは理解していただけましたら、ウレシイです。この特集はこの回で最終回ですが、質問や疑問（や訂正）なんかありましたら、掲示板に一筆そえていただけたらと思います＾＾

09.04.05 一部修正

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